こんにちはHANAです。
カバー曲は、古き良き楽曲が新しいアーティストによって再解釈され、聴き手を過去と現在を同時に感じる不思議な世界へと導いてくれます。
懐かしいと感じながら、あの時とは違う捉え方になる時もあることを気づかせてくれます。
昭和歌謡音楽がブームになっているのは、多少なりともカバー曲が聴く人々に新しい体験を与えている影響もあるのではないでしょうか。
今回はカバー曲について調べてみました。
カバー曲とは何?
ポピュラー音楽の世界では、時折同じメロディや歌詞が異なるアーティストによって取り上げられ、新たな命を吹き込まれることにありますよね、これが「カバー曲」です。
カバー曲とは何?カバー曲についての基本情報
Wikipediaのカバーの概要として下記の様に記されておりました。
カバーとはある楽曲が複数の歌手に共有される現象である。動機としては、カバーしようとする歌手がその楽曲を純粋に好んで歌うため・持ち歌不足を補うため・他人への提供楽曲をファンや音楽会社の要望で録音を行うため・有名な曲をカバーすることで宣伝効果が得られるため、等々がある。そのため、歌詞やタイトルが変更されることもある。 これに対し、コード進行や一部の歌詞・旋律を引用することをサンプリングと言い、カバーとは区別する。
引用:Wikipedia「カバー」
カバー曲は、オリジナルアーティストによって作られた楽曲を、他のアーティストが自分らしいアレンジやスタイルで再演奏・再解釈するものです。
その結果、同じ楽曲が異なる感情や意味を持ち、聴く者に新しい体験を提供しているのです。
セルフカバーについて
セルフカバーは、日本のポピュラー音楽で使われる言葉で、主にシンガーソングライターが以前他のアーティストに提供した曲を自分で演奏・歌唱して発表する行為を指します。
~セルフカバーの例~
♣「北ウイング」(1984年)中森明菜さんのヒット曲を「北ウイング―CLASSIC―」としてセルフカバーして2023年11月に発売したのが話題になりました。
♣「シクラメンのかほり」レコード大賞受賞曲です、布施明さんのパワフルで伸びやかな歌声に魅了された楽曲です。
小椋佳さんが作詞作曲をしましたが、布施明さんに楽曲提供をしたので、リリースする場合はセルフカバーとなります。
♣「世界に一つだけの花」を後に同曲のプロデュースを手掛けた槇原敬之さんが自身の歌唱で発表したのもセルフカバーとなります。
カバー曲の魅力や一番多くカバーされている曲は?
カバー曲の魅力は、原曲とは異なる音楽的なアプローチや感性を通じて、新しい世界を開拓することにあります。
アーティストは、カバー曲を通じて音楽の異なるジャンルを繋ぎ、時には古典的な楽曲を現代風にアレンジすることで、新たな聴衆に訴えかけます。
昭和歌謡音楽など全く知らない若者世代に広まっていったのは、こういったことからでしょうか。
「古典的な楽曲を現代風にアレンジ」で思い出したのが、NHK朝ドラ『ブギウギ』でヒロイン・趣里さんが歌う笠置シヅ子さんの「ラッパと娘」。
この楽曲は1939年(昭和14年)戦前に発売されたもので私も知らなかった曲ですが、2007年に松浦亜弥さんがジャズ・トランぺッター日野皓正さんと共演してカバーしたのを聴いたことがあり現代風にアレンジしていました。
皆さんも聴き比べてみて下さい。
♦1939年の笠置シヅ子さんの歌
♦2007年の松浦亜弥さんと日野皓正さん
一番多くカバーされている曲は?
この記事を読んで148人もカバーしているのなら、中島みゆきさんの「糸」が該当するのかな?と思っていたら
1992年にシングル曲としてではなく、アルバム「EAST AJIA」の中で発表された同曲は、2004年、Mr.Childrenの桜井和寿(53)と、音楽プロデューサーの小林武史氏(63)が中心となって結成された「Bank Band」によって初めてカバーされる。それがテレビのCMなどに起用され、一気にブレークした。
その後も平松愛理(59)やクリス・ハート(38)、JUJU(47)、福山雅治(54)、研ナオコ(69)、五木ひろし(75)ら著名な歌手によって歌われ続け、工藤静香(53)に至るまで、実に148人がカバーしたという。
引用:ポニチ2023年5月25日 配信
「糸」を超える176回もカバーされている曲がありました。
坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」です。
なんと!176回(2021年現在)で栄えある1位となっています。
この曲は、元々はミュージカルの挿入歌で、ミュージカルを見た坂本九さんが永六輔さんに作詞を懇願し、大ヒットした曲です。
様々なアーティストに時代を超え歌い継がれ、日本人の背中をそっと押してきたこの名曲。
個人的な意見ですが、私は九ちゃんの歌がやっぱり一番好きです、何度聞いてもウルッときます。
え?この曲はカバー曲だったの?
この曲はカバー曲だったの⁉と思うような曲を、個人的なお気に入りで選びましたので紹介します、
♠「なごり雪」はイルカさんで有名ですが、「かぐや姫」が74年に発売したものです。
♠「千の風になって」はテノール歌手の秋川雅史さんで有名、紅白にもこの歌で出場しておりますが、 オリジナルは、作詞家の新井満さんが03年に発売した楽曲なんです。
♠「亜麻色の髪の乙女」は、原曲は1966年に青山ミチさんが「風吹く丘で」という題名で初録音した曲ですが、発売前に覚醒剤で逮捕されてしまったため、以後お蔵入りとなり、1968年にヴィレッジ・シンガーズが発売した曲を2002年に島谷ひとみさんが歌いシャンプーCMソングにも採用されたりするほどヒットしました。
♠「また君に恋してる」は2007年からお酒のCMソングとしてビリー・バンバンの原曲が流れていましたが、2008年から坂本冬美さんがCMで歌うようになり人気が出ました
♠「涙そうそう」は森山良子作詞、BEGIN作曲による楽曲なので、森山良子バージョンやBEGINバージョンもありますが、夏川りみさんが、沖縄サミットのテレビ中継でBEGINがこの曲を演奏しているのを見て、カバーしたいと思うようになりカバーが実現しました。夏川さんの透き通るような高音の歌声が心に沁みヒットしました。
♠「青いイナズマ」は国民的アイドルグループSMAPで有名ですが、原曲は林田健司さんが1994年に発表した楽曲なんです。
♠「私はピアノ」は高田みづえさんの最大のヒット曲ですが原曲はサザンオールスターズの楽曲で原由子さんが歌っています。カバー曲でのヒットはもう一曲「そんなヒロシに騙されて」もサザンの楽曲です。
♠「夏をあきらめて」は研ナオコさんが、サザンオールスターズのアルバムを聴いていてカバーしたいと申し出たそうです。桑田佳祐さんとはまた違った大人の女性が歌う「夏をあきらめて」も良かったです。
♠「また逢う日まで」はレコード大賞受賞の楽曲でパワフルに歌唱する尾崎紀世彦さんの歌で有名ですが、ヒットするまでには色々あったみたいです。
エアコンのCMソングの候補曲として制作された曲でしたが、スポンサーの方針変更により使用されず、曲の良さから阿久悠(あく ゆう)さんが歌詞を書いて「ひとりの悲しみ」としてズー・ニー・ヴーの新曲として取り上げることになりました、しかしヒットにはならず歌詞を書き直してくれるよう阿久悠を説得し、リメイクを承諾し、尾崎のために改めて「別れ」をテーマにした歌詞に書き換え、タイトルも「また逢う日まで」として1971年にリリースされた中々、難産だった楽曲です。原曲は、グループサウンズ(GS)のズー・ニー・ヴーとなるのかな。
カバー曲はまだまだたくさんあります、バラエティー番組からヒットした曲もカバー曲なんですよ!
♠『8時だョ!全員集合』の 志村けんさんが歌っていた「東村山音頭」(ザ・ドリフターズ)の原曲は1963年にキングレコード専属の歌手の三橋美智也さん・下谷二三子さんなどにより発売になっていた曲でした。
♠同じく『8時だョ!全員集合』のエンディング、「いい湯だな」(ビバノン・ロック)(ザ・ドリフターズ)の原曲はデューク・エイセスが1966年にリリースした楽曲です。
カバー曲アルバムとトリビュート・アルバムの違い
カバー曲アルバム
・ 特定のアーティストに拘束されないカバー・アルバムは、特定のアーティストへの敬意を表す必要はありません。アーティストが様々な楽曲を取り上げ、自身の解釈で演奏・歌唱することが一般的です。
・広い範囲の楽曲が収められており、 カバー・アルバムは、様々なジャンルやアーティストの楽曲を幅広く取り上げることができます。
最近の例で挙げると、2023年11月に発売になった
JUJUさんのCover Album スナックJUJU~夜のRequest~『帰ってきたママ』
15曲、様々なジャンルやアーティストの楽曲をJUJUさんのカラーで歌い上げております。
他にもたくさんのアーティストさんがカバーアルバムを出しております。
男性が女性の曲を唄ったり、その逆もあったりと様々です。
聴きなれた楽曲を、違うアーティストさんの歌声で聴くのも新鮮ですね。
トリビュート・アルバム
・対象となるアーティストが異なるトリビュート・アルバムは通常、特定のアーティストやバンドに敬意を表して制作されます。そのため、対象となるアーティストが存在します。
・多様なアーティストの参加する トリビュート・アルバムには複数のアーティストが参加し、対象となるアーティストの楽曲をカバーすることが一般的です。
・アーティストへの敬意や影響を示すトリビュート・アルバムは、特定のアーティストやバンドが音楽シーンに与えた影響や功績に敬意を表し、感謝の意を示すために制作されることが一般的です。
こちらも例を挙げてみますと…。
2007年10月に発売された【服部良一 〜生誕100周年記念トリビュート・アルバム〜】はこの種のアルバムとしては異例のオリコンTOP10入りを達成しています。
昭和を彩った服部良一作曲の楽曲を息子さんである服部克久さん、お孫さんである服部隆之さんが選曲・編曲し、世代を問わずカバーされた全16曲を収録しています。
その16曲を歌ったアーティストが豪華です‼ このアーティストさんたちは、服部良一先生に敬意を示して歌っているのです、オリコンTOP10入りも納得ですね。
東京ブギウギ / 福山雅治
胸の振り子 / 井上陽水
買い物ブギ / 関ジャニ∞
銀座カンカン娘 / ゴスペラーズ
午前二時のブルース / 小林桂
白バラの歌〜White Rose〜 / ヘイリー
青い山脈(instrumental) / 東京スカパラダイスオーケストラ
一杯のコーヒーから / さだまさし
Boogie Woogie Hatter (ブギウギメドレー)(instrumental) / レ・フレール
東京の屋根の下 / 一青窈
昭和モダン / 山崎まさよし
アデュー上海 / 佐藤しのぶ
ラッパと娘 / 松浦亜弥・日野皓正
別れのブルース / 徳永英明
シアワセノカタチ / 布施明・森山良子
蘇州夜曲 / 小田和正引用:服部良一 〜生誕100周年記念トリビュート・アルバム〜より
まとめ
カバー曲は懐かしさを与えてくれると同時に、新しい命を吹き込んでもくれ、時には原曲以上の感動を届けてくれます。
アーティストたちが過去の名曲を取り上げ、独自の解釈で彩ることで、私たちは音楽の奥深さに触れ、新たな感動に包まれるのです。
カバー曲は単なる再演ではなく、音楽の無限の可能性を示す窓となっています。
これからも、アーティストたちが私たちに驚きと感動を届けてくれることを期待しています。
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