ファンの間でも人気ベスト10に入る「案山子」。
発売当時、私は故郷の田舎から東京という大都会に出てきて一人暮らしを始め1年経った頃でした。
当時は、家族から自分への励ましの歌と捉えておりました。
今回は私も大好きな「案山子」の歌を、探ってみたいと思います。
さだまさし「 案山子(かかし)」のには モデルとなる人物がいたのか?
さだまさしのシングル代表作の1つに1977年に発表された「案山子」(かかし)があります。
都会で一人暮らしをする弟(あるいは妹)を雪の中にぽつんと立つ案山子になぞらえ、故郷にいる兄が気遣うメッセージを送る歌である。
引用:Wikipedia
さださんの都会での一人暮らしの経験や、さださんの弟である佐田繁理(さだ しげり)さんが大学生時代、異国の台湾の大学にサッカー留学をしていた思い出を重ねて、この曲を思いついたようです。
繁理(しげり)さんがモデルで、弟を思うお兄さんの優しい気持ちが「案山子」を誕生させたのでしょう。
さだまさし「 案山子(かかし)」と津和野との関連は?
調べていくうちに、案山子には場所のモデルもあったことが判明しました。
さださん本人が曲の原風景は津和野とも話しています。
さださんと津和野て結びつきませんでしたが、津和野は、父親の戦友会・高校の卒業旅行・コンサートなどで何度も訪れた地なんだそうです。
歌詞のこの部分は標高362mの霊亀山上に築かれた津和野城跡の三十間台から、津和野市街を見て、その状景を歌ったもので美しい光景が目に浮かびます。
城跡から見下せば蒼く細い河
橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突
この町を綿菓子に染め抜いた雪が消えれば
お前がここを出てから初めての春
引用:さだまさし楽曲
津和野城跡を観光すると、ガイドさんが【さださんの「案山子」に出てきた場所です】と説明してくれる時もあるみたいです。
さだまさし 「案山子(かかし)」 歌詞 を探る
私は発売当初、これは父親が子どもを心配している歌なのかと思っていたら
おふくろに…ときたから、あれ?これは兄視点の歌だと感じ、さださんが弟さんを気遣っている歌なんだと理解。
「案山子(かかし)」歌詞の意味
さださんも、都会で親からの仕送りで一人暮らしをしていたから金頼むのフレーズがでたのかな。
46年も前に発表されたこの曲。
当時は携帯電話などないから、今みたいに簡単にメールとか電話できない時代でした。
電話だって家電などなく公衆電話から故郷にかける時代でした。
さださんの弟さんは、異国の地での留学でしたから、電話は国際電話になりますから、あまり連絡できなかったでしょうね。
言葉も風習も違う見知らぬ土地での新しい生活、「案山子」の様に独りぼっちで寂しくしていないか、母親も心配しているぞ…と弟を思う兄の心情が込められた歌になっています。
手紙が無理なら 電話でもいい
“金頼む”の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
おふくろに聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか 寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
引用:さだまさし楽曲
聴き手には、さださんが弟さんを思う気持ちの歌でけではないですよね。
私も若い頃、田舎から上京して来た身で、この歌を聴くと家族が「大丈夫か?無理しないでも良いよ、いつでも帰っておいで」と励ましてくれている様に感じたものでした。
そして、自分が親になり子どもが自立して初めて遠くへ行った時は、心配で心配で…まさに声だけでも聞きたい気持ちになりました。(わが子だけかも知れませんが、男の子って携帯電話ある時代ですが、中々電話などかけてこないのです)
またコロナ禍で、年老いた親に直接会うことが出来ないことを体験してきましたね。
故郷に帰れない、家族に会えない不安さは、多くの人が味わったのではないでしょうか。
離れて暮らす家族への愛情がこの歌のテーマだと私は感じました。
この歌を聴くとそれぞれの想いが胸をよぎり、この歌が持つ優しさ・温かさに触れることが出来ます。
「案山子」(かかし)の歌詞のもう一つの見方
2016年10月【関ジャム 完全燃SHOW】でさださんは、「案山子」は津和野城跡の子どもたちが遊ぶ広場のシンボルである松の木が歌っているイメージで曲を書いたことを番組内で話していました。
さださんは、この話を他でも語っているようでテリー伊藤さんの本でも紹介されていました。
案山子を創作した際の裏話を、テリー伊藤著『歌謡Gメン あのヒット曲の舞台はここだ!』の中でこう明かしている。
「津和野は実に日本的な風景なんですよ。(中略)『日本のふるさと』の情景の典型とは何かと考えたときに、僕は城跡から眼下の街を見下ろしたときの風景だと思った」とし、「実は三本松城に大きな松の木があって、その松の木が子どもに語りかけているんです」。
引用:朝日新聞デジタル2019年12月17日
津和野城の別名は三本松城と言い、そこの広場のシンボルが大きな松の木なんでしょう。
松の木は子どもたちが小さい頃から成長を見守っています。
松の木を擬人化して、故郷から都会へと旅立った子どもたちへの気持ちを語っている。
さださんらしいですね。
いかがだったでしょうか?ファンに限らず、みんなから愛されている「案山子」。
発表から、あと数年で50年になりますが、何度でも聴いてもらいたい曲です。
そして故郷を思う気持ち、親を思う気持ち、兄弟を思う気持ち…様々な思いに心を傾けてみませんか。
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